オルトドロー レビュー|エバードロー・リフトプラスウッドと比較

オルトドロー徹底レビュー 期待の木軸製図用、その書き心地は?
目次

結論

ラダイト オルトドローは、木軸と金属を組み合わせたデザイン、強く効くローレットグリップ、ペン先の視界のよさが魅力の製図用シャーペンです。ただし、エバードローのような高い剛性感と、ペン全体の一体感を期待して選ぶと、その違いにがっかりします。

私が特に気になったのは、ノックキャップのガタつきと高重心のバランスです。見た目はめちゃくちゃかっこいい。グリップもよくできています。それだけに、なぜこのノックキャップになったのか。期待していたぶん、ここはかなり残念でした。

一方で、書き心地そのものが悪いシャーペンではありません。芯タンクはしっかり固定されており、キャップが動く振動がペン先まで伝わってこない点はよかったです。音を気にせず使える方や、このルックスが気に入った方には、チェックする価値があります。

今回は実際に書いた感想だけでなく、口金やノックキャップの構造、部品ごとの重量、キャップを外したときの変化まで見ていきます。比較するのは、同じラダイトのエバードローと、KITERAのリフトプラスウッドです。

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ラダイト オルトドローの基本情報

オルトドローパッケージ

オルトドロー(ALTDRAW)は、ラダイトの木軸製図用シャープペンシルです。価格は税込6,600円。当初は2026年3月発売と案内されていましたが、約4か月延期され、7月の発売となりました。ひとつ前のエバードローが非常によかったので、私も発売を首を長くして待っていたモデルです。

メーカーは、木と真鍮を組み合わせ、エバードローより重量を増やした製図用モデルとして紹介しています。重さを使ってコツコツとした感触を伝える、という方向性ですね。実際に持ってみても、エバードローよりずっしりとしています。ラダイト公式の商品ページでも、価格や基本仕様を確認できます。

パッケージはスライド式の紙箱です。表面には商品名などがシルバーで箔押しされ、裏側にはペンの特徴が短く印刷されています。シンプルな箱ですが、こういう説明がひとつあるだけで、開封するときのワクワク感が変わります。

オルトドロー 外観

金具はマットブラックとマットシルバーの2種類。樹種はウォールナットとチェリーウッドで、芯径は0.5mmのみです。今回使用したのは、ブラック金具のウォールナット。比較に使うエバードローは、シルバー金具のチェリーウッドです。

オルトドロー ウォールナット

木目は一本一本違い、見た目にも手触りにも温かみがあります。ただ、オルトドローもエバードローも、実際に指で握る部分は金属グリップです。木を直接握り続けるペンに比べると、経年変化はゆっくり進むと思います。樹種の追加や限定モデルにも期待したくなるデザインですね。

全長は143mm、重量は27.4g、軸径は9mm。今回比較したエバードローは全長138mm、重量21.7g、軸径9.5mmでした。大きさは近くても、持ったときの重さは結構違います。以下は今回使用したオルトドローのスペックです。

項目内容
商品名ラダイト オルトドロー(Luddite ALTDRAW)
発売2026年7月
価格6,600円(税込)
芯径0.5mm
金具カラーマットブラック/マットシルバー
樹種ウォールナット/チェリーウッド
今回使用したモデルマットブラック×ウォールナット
全長(実測)143mm
重量(実測)27.4g
軸径(実測)9mm
重心高重心
グリップ金属製・ローレット加工
ガイドパイプ4mm
チャック金属製
ノックキャップ重量(実測)4.4g
付属機能消しゴムあり/クリーナーピンなし
生産国日本

全体の雰囲気はエバードローに近いのですが、パーツを細かく見ると結構変わっています。軸には商品名やメーカー名が入っており、レーザー彫刻のような仕上がりです。エバードローはクリップに商品名が入っていましたが、オルトドローは軸側に移っています。

オルトドローとエバードロー比較

クリップは、テックドロー2やエバードローと同じ形状に見えます。硬さは硬めです。ノックキャップは、細くシンプルだったエバードローから大きく変わり、テックドロー2に近い形状になりました。内部の段差も似ていますが、オルトドローには硬度表示窓がありません。側面にはグリップと同じようにローレット加工があり、上面には刻印や印刷はありません。

使用した感想

書き心地

オルトドロー 書き心地チェック

まず、一枚の紙の上に書いてみました。最初の感触は「なかなかいい」。ただし、剛性感はエバードローの方がはるかに上です。そして、書き始めるとすぐにノックキャップのガタつく音が聞こえてきます。エバードローでは気にならなかった部分なので、ここはかなりショックでした。

次にノートへ書くと、書き心地はテックドロー2を重くしたような感触です。私が期待していたのは、エバードローのあの高い剛性感に、さらに重量が加わった書き心地でした。鉄の棒で書いているような、どこも動かない感覚ですね。ところが、オルトドローは後ろのキャップが動くので、ペン全体が一本につながっている感覚がありません。

とはいえ、音がすることと、ペン先に不快な振動が来ることは違います。オルトドローは芯タンクが固定されているため、ノックキャップがガタついても、その振動がペン先まで伝わってきません。ここは非常によかったです。音を気にしなければ、書き心地自体は十分使っていけるものになっています。

重心バランス

オルトドローは高重心です。27.4gという総重量だけでなく、その重さをどこに配置しているかが、今回の大きなポイントになります。

ノックキャップだけを量ると4.4gありました。エバードローのノックキャップは0.4gなので、キャップだけで4g増えています。本体全体の重量差は5.7g。増えた重さのかなり大きな部分が、ペンの後端に集まっているわけです。

グリップ周りに重さが加われば、ペン先を紙に置いたときの安定感につながります。しかし、後端が重くなると、握っている位置より後ろの存在感が強くなります。私がオルトドローのバランスをよくないと思ったのは、このノックキャップの重さです。重さを増したことが、そのままエバードロー以上の使いやすさにはつながっていません。

剛性感

オルトドロー ローレットグリップ

口金は、エバードローのようにスーッと先端へつながる形状ではなく、2段階の段差が付いた形状です。どちらも口金とグリップは一体型ではなく、口金を外せます。外して内部を見ると、オルトドローのチャックは金属製でした。

ここで改めてすごいと思うのが、エバードローの剛性感です。口金とグリップが分かれているのに、あれだけ一体感のある書き心地が出ています。オルトドローもグリップ周りにはしっかりした重厚感がありますが、ノックキャップが動くため、ペン全体としての剛性感ではエバードローに届きません。

ガイドパイプは、エバードローの3mmからオルトドローでは4mmになりました。ガイドパイプとは、芯の周囲を支える細い金属のパイプです。長くなると口金が筆記位置から離れ、ペン先の視界が広くなります。オルトドローでも、ここははっきりよくなっています。

一方で、先端から突き出す部分が長くなると、横方向の力に対しては不利です。短い方が剛性感を出しやすく、落としたときにも曲がりや折れに強くなります。たった1mmですが、ペン先では小さくない違いです。今回は視界のよさを重視し、エバードローと差別化したのだと思います。

良かった点

オルトドロー グリップ力

まず、見た目は大好きです。全体の印象はテックドローを木軸にしたようなデザインで、木と金属の組み合わせがとてもかっこいい。サイズ感はテックドローとは違いますが、製図用らしい機械的なパーツと木の温かみがうまく合っています。

それから、ローレットグリップがよく効きます。ローレットは、金属表面に細かな凹凸を付けて滑りにくくする加工です。オルトドローの溝は浅く細かいため、見た目だけだとグリップ力は控えめに思えます。しかし実際は、指の皮膚に引っ掛かるようにかなり強く効きます。テックドロー2のグリップとも違いますね。

しかも、痛くありません。エバードローのスパイラルグリップは、最初は握りやすいと思っていたのですが、長時間使用すると少し痛くなりました。視聴者さんからも同じ声が届いています。オルトドローはその不満を解消する方向に変わっており、エバードローのグリップが合わなかった方には朗報です。

ペン先の視界がよくなったことも、製図用としてうれしい点です。クリップは筆記中に手へ当たる長さですが、グリップがしっかり効くので軸が自然に回りにくく、私はあまり気になりませんでした。クリップの長さだけでなく、握った向きを維持できるかどうかも使いやすさに関係しています。

気になる点

オルトドロー ノック部のがたつき

一番気になるのは、重いノックキャップが動き、クリップ周りの金属に当たって音を出すことです。4.4gのキャップは存在感があり、その重さで動きやすくなっています。高重心の原因とガタつきの原因が、同じ部品に集まっているわけです。

オルトソロー 内部機構

中をよく見ると、芯タンクはしっかり固定されています。「芯タンクが軸の内側へ左右にぶつかって音がする」という説明を耳にすることがありますが、この構造では芯タンクよりも先にノックキャップが周囲へ当たります。キャップは芯タンクの後端にかぶさっているため、芯タンク側を固定しても、キャップ自体の動きは残ります。

つまり、芯タンクの固定とノックキャップのガタつきは、同じ問題ではありません。芯タンクを安定させたことはペン先へ振動を伝えない点で有効でした。しかし、それだけでは後端の接触音まではなくなりません。下軸がしっかりしているだけに、キャップの動きがもったいないです。

こうしたガタつきには、テープを巻けばよいという話もあります。ただ、私はユーザーが手を加えた状態ではなく、製品そのものをレビューしています。今回の評価も、購入した状態を基準にしています。テープを巻くかどうかは、ご自身の判断になります。

音がどうしても気になる方に、実際に試した方法をひとつお伝えすると、この重いノックキャップを外して書くと快適です。後端の重さと接触音がなくなり、ここで初めてエバードローに近い書き心地になりました。見た目は悪いですが、私は今後こうやって使うかもしれません。

この変化からも、私の不満がペン先そのものではなく、ノックキャップを含めた全体の仕上がりにあることが分かります。キャップを外すとよくなるからこそ、最初からこの一体感を出してほしかった。製図用シャーペンとして発売するなら、筆記中に部品が動く部分は、もっと精密に詰めてほしかったです。

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他モデルとの比較

ラダイト エバードロー

エバードローとオルトドローは、どちらも木軸と真鍮の組み合わせですが、実際に書くと方向性が違います。エバードローは低重心と高い剛性感が魅力。オルトドローは重量感を増し、グリップの形状とペン先の視界を変更したモデルです。単純に「エバードローを重くした上位版」と考えない方がいいですね。

比較項目オルトドローエバードロー
価格(税込)6,600円5,500円
全長(今回の実測)143mm138mm
重量(今回の実測)27.4g21.7g
軸径(今回の実測)9mm9.5mm
重心高重心低重心
グリップ細かなローレット加工螺旋状のスパイラル加工
ガイドパイプ4mm3mm
口金とグリップ分離構造分離構造
ノックキャップ重量(実測)4.4g0.4g
筆記中の一体感ノックキャップの動きが気になる高い剛性感と一体感

価格は現行の公式掲載価格で比べると1,100円差です。エバードローの価格はラダイト公式のエバードロー商品ページを参照しています。

握り心地ではオルトドローに利点があります。エバードローは上から下へ溝がつながるスパイラル加工で、独自性もグリップ力もありますが、私のシルバー金具では長時間使うと痛みが出ました。ブラック金具では塗装によって痛みが軽くなるという声もありますが、今回私が直接比較したのはシルバーです。オルトドローは強く効くのに痛くないので、この変更は素晴らしいです。

一方、書き心地の一体感はエバードローが上です。軽いノックキャップと低重心のバランスにより、ペン先から後端まで余計な動きがありません。オルトドローは重いぶん下軸の存在感が増していますが、後端のガタつきで全体のまとまりを損なっています。

私なら、剛性感と筆記中の静かさを重視するときはエバードローを選びます。グリップの痛みが気になっていた方や、4mmガイドパイプの視界、より重厚なデザインに魅力を感じる方はオルトドローが候補になります。勉強やノートへの長時間筆記で使うなら、見た目だけでなく、指への当たり方と後端の動きの両方を見て選びたいところです。

KITERA リフトプラスウッド

リフトプラスウッド(LIFT+ Wood)は、紀寺商事のKITERAブランドが展開する木軸シャーペンです。オルトドローと同じ税込6,600円で、重量は24g。木軸という共通点はありますが、握る部分と先端の設計は大きく異なります。

オルトドローは金属のローレットグリップを握るのに対し、リフトプラスウッドは、六角から丸軸へつながる形状を木で再現しています。木を直接握り、手触りや経年変化を楽しむ方向です。内部機構も通常のLIFT+からフルメタル仕様へ変更され、台湾の工房で製造されています。KITERA公式の商品ページでは、通常モデルとの構造の違いも紹介されています。

比較項目オルトドローリフトプラスウッド
価格(税込)6,600円6,600円
重量27.4g(実測)24g
重心高重心低重心
握る部分金属・ローレットグリップ天然木・六角から丸軸へつながる形状
先端4mmガイドパイプガイドパイプのないスタンダードな先金
内部の特徴金属チャック・固定された芯タンク木軸用のフルメタル機構
書き心地ペン先へキャップの振動が伝わりにくい柔らかく、内部の音や振動が気になる
選ぶポイント金属グリップとペン先の視界木を握る感触と独特の軸形状

以前リフトプラスウッドを使ったときは、低重心のバランスはよい一方で、書き心地は柔らかく、内部の振動やノック周りのガタつきが気になりました。通常のLIFT+にあった一体感をそのまま木軸にしたペンではありません。金属製の内部機構だからといって、それだけで硬い書き心地になるわけではない、ということが分かるモデルです。

オルトドローにもノックキャップの音がありますが、こちらは芯タンクが固定され、ペン先までその振動が来ない点に違いがあります。どちらも音がする、と一括りにすると、この差が見えなくなります。比較するなら、音の有無だけでなく、指先やペン先に何が伝わってくるかまで見る必要があります。

木の温かみを指で直接味わい、柔らかな書き心地を好む方にはリフトプラスウッド。金属グリップでしっかり握り、ペン先を見ながら書きたい方にはオルトドローが合います。ただ、どちらも高い剛性感だけを目的に選ぶなら、エバードローも含めて検討したいです。同じ価格の木軸ペンでも、どこに価値を置くかで選ぶ一本は変わります。

こんな人におすすめ

✅ 向いている人

  • 木軸と金属を組み合わせた、製図用らしいデザインが好きな人
  • エバードローのスパイラルグリップが痛かった人
  • 強く効くローレットグリップでしっかり握りたい人
  • 4mmガイドパイプによるペン先の視界を重視する人
  • 重量感のあるシャーペンが好きで、ノックキャップの音が気にならない人

❌ 向いていない人

  • エバードロー以上の剛性感と一体感を期待している人
  • 筆記中のノックキャップの音や動きが気になる人
  • 低重心のバランスを重視する人
  • 軽いシャーペンで長時間書きたい人
  • グリップまで木製のペンを探している人

総合評価

評価項目点数(各10点満点)
書き心地 7/ 10
重心バランス 7/ 10
剛性感 7/ 10
デザイン 10/ 10
コスパ 7/ 10

総合評価:  7.6/ 10

デザイン、グリップの効き方、ペン先の視界はよくできています。芯タンクを固定し、ノックキャップの振動をペン先に伝えない構造も評価したいです。一方で、重いキャップによる高重心とガタつきは、製図用シャーペンとして見過ごせません。

税込6,600円の木軸モデルとして、外観に魅力があることは間違いありません。ただ、書く道具としての完成度まで期待していた私には、惜しい一本でした。特にエバードローを使って気に入っている方は、同じ方向の書き心地を期待しすぎない方がいいです。

まとめ

ラダイト オルトドローは、発売を待っていたぶん、期待との落差が大きかったシャーペンです。私はエバードローのような剛性感を、そのまま重厚にしたモデルを想像していました。しかし実際は、グリップや視界に改善がある一方、ノックキャップの重量と動きが全体の印象を変えていました。

特に印象に残ったのは、4.4gのキャップを外すと快適に書けたことです。ペン先と芯タンクにはよい部分がある。それなのに、完成した一本として握ると、後端が気になる。この差が、今回の評価を決めました。

一般筆記用ならともかく、製図用を名乗るなら、筆記中にどこかの部品が動く部分はもっと詰めてほしかったです。ここは厳しく見ました。ただ、見た目は本当にかっこいいですし、書き心地そのものも悪くありません。強く効いて痛くないグリップも魅力です。このルックスが気に入った方は、重心バランスとキャップの音を確かめながら、ぜひチェックしてみてください。

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YouTube動画

動画では、エバードローと並べたパーツの違い、実際の筆記音、ノックキャップの動き、キャップを外したときの変化をご覧いただけます。特にガタつきの音は文章だけでは伝わりにくいので、購入を検討している方は動画も参考にしてみてください。

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