どうも、YouTubeチャンネル「HEROTV」の運営兼、動画編集者のあぬびすです!
僕は様々な筆記具関連の文房具を色々と徹底レビューしているのですが、
今回は、以前カヴェコと伊東屋のコラボ商品に不具合があった際に作った動画を公開したのですが、その中から、動画後半の文房具YouTuberとしての僕自身の考えと、情報発信者としてどうあるべきかという部分をメインに深堀して記事にしようと思います。(前半のカヴェコと伊東屋の部分の詳細は動画にてご覧ください)
文房具好きの皆さんはもちろん、文具メーカーの方やYouTuberの方にも是非最後までご覧いただければと思います。
本題に入る前に、HEROTVでは新商品から定番や廃番のペン、万年筆や木軸、ペンケースなんかもメーカーに忖度のない徹底レビューをしておりますので文房具に興味がある方は是非、チャンネル登録をお願い致します。
目次
Youtube動画
シャーペンノック部のガタツキについて
この記事はあくまでも僕個人の考えであって、正解不正解を問うものではございません。
シャーペンは現在、急速に進化を遂げており様々な機構や技術が搭載されたものが数多く開発、販売されています。しかしながらこのデジタル化が進む現在では、筆記具の需要が軒並み減少傾向となっています。
そんな令和の現在、未だに手を付けず放置してきた不具合があります。
それはノックキャップのガタツキです。
敢えて不具合と言わせていただきますが(伊東屋も不具合と認めています)、この不具合はノック式のシャーペンが誕生して以来ずっと付きまとっているもので、昔から解消されずに今販売されている最新のシャーペンでさえ、この不具合がそのまま「継承」され続けています。
というのも、このノックキャップのガタツキは、やろうと思えば製造段階で解消することができるんです。現にノックキャップのガタツキを感じないシャーペンはいくつも存在しています。
でもそれをやらずに敢えて継承し続けている。この背景には一体何があるんでしょうか。
この続き、カヴェコスペシャルに関しては動画にてご確認下さい。
文房具YouTuberとしての使命
伊東屋限定カヴェコスペシャルの不具合について
ここからは、僕が文房具YouTuberとしてどのようにこの事態を考えているか、どのような考えでいつも動画を配信しているかについてもこの機会に併せてお話ししたいのですが…
今回このオリーブブラウンの不具合に関して発信した動画やSNSに、大げさだとか、ノックキャップにテープを巻けば済むなどという声がちらほら上がっていました。
恐らくコメントいただいた方は学生さんとか若い方なんでしょうね。大人になって、ある程度会社の経営に関わってくるとこの事態の重さがよくわかると思うのですが、大手企業同士のコラボ商品にこんな不具合が発生すれば、お互いの会社の信頼を失う事態になりかねないんです。
ただでさえ文房具業界は厳しい状況に立たされている現状で、さらに業績が悪化しかねない事態なんですよ。決して軽く考られないんですね。
確かにあなたのペンはあなたがテープを巻けば音は収まるかもしれません。でもそれってあなた一人だけの世界の話ですよね?
僕自身はノックキャップのガタツキについて正直どう考えているかというと、「できればない方がいい」。この程度です。通常売られているシャーペンのノックキャップにガタツキがあったからといって不具合とまでは感じません。
しかし当然ですが、精密でなければならない製図用シャーペンに関しては絶対あってはならないと思っています。
ではなぜ今回、商品の回収&交換という事態にまで発展したのか。それは世間の「カヴェコスペシャルへの評価」に答えがあります。
カヴェコスペシャルは一般的なシャーペンと比べて、かっこよくて書き心地が非常にいいという理由があって人気となり、税込み6050円(2023年11月現在)という高額なペンでも売れ続けています。
その人気の理由でもある「書き心地のよさ」が、今回「ノックキャップのガタつき」が発生したことにより失われる事態となったわけです。
ノックキャップがガタつくと、筆記振動によりノックキャップがブレて軸と接触。そのビリビリとした振動が軸を伝わりペン先まで届き、書き心地が損なわれます。
かっこよくて書き心地がいいから高くても売れていたシャーペンの書き心地が損なわれて、その先商品が売れると思いますか?売れる要因がなくなったんですよ?
例えば学生の方が、少しずつお金を貯めて高いお金を払ってやっと買えた憧れの神シャーペンが、多くの文房具YouTuberがレビューしているような書き心地の良さもない、カタカタ音がするシャーペンだったらどうですか?苦労して初めてカヴェコスペシャルを買った方はどう思うでしょうか?
僕みたいに従来の神シャーペンを所持している方は、この不具合が発生している個体にすぐに気づいたと思います。比較できますからね。でも初めて買った方は、比較対象がありませんからこれがカヴェコスペシャルのクオリティだと思うんです。これが神シャーペンだと。そしてこの不具合が発生しているペンが更に多くの人の手に渡ったらどうなりますか?
時間とお金をかけて一生懸命動画を作っているYouTuberがおすすめしているペンも、メーカーが沢山開発費をかけて社名をかけて販売しているペンも、言ってることが違うじゃんって、みんな信用がなくなってそれこそペンなんて誰も買わなくなりますよ?
レビュー系YouTuberとしてあるべき姿
それはYouTubeの世界でも同じことが言えるんです。
商品レビューの動画って、投稿者によって好みや感想が違ったりしてとても面白いんですよね。
人それぞれ感想は違っていいと思うし、いろんな伝え方があるのはもちろんいいと思うんですけど、感想以前に商品の不具合に気づけないとか、商品を所持していないのに想像でレビューしておすすめしたり、品質が悪いことに気づかずに安いだけでおすすめしたりするような動画投稿者には僕はなりたくないですね。
そういった投稿者が増えると先ほど言ったことと同じです、文房具YouTuber全員の信頼がなくなるんです。初めて見た文房具YouTuberが適当なレビューをしていて、それを信じた人が商品を買ったらどうなりますかという話なんです。さらにこの業界が良くない方向に向かって行く…
商品の情報を一部誤って投稿してしまうなんてミスは誰にでもあるんですけど、それ以前に絶対に伝えないといけない部分ってあるんですよね。
あと、配信者の中でも恐らく何も知らなかったり考えずに発信してしまっているところがあると思うのですが…
メーカーに無許可で商品画像を動画やSNSに使用したり、公開前の商品をリークしたり、そういうのって再生回数は伸びるかもしれませんが法律に触れることでもありますし、やってはいけないことなんです。
引用元を貼っていれば無断で画像を使っても大丈夫と勘違いしてませんか?誰かがそうすれば大丈夫と言っていたから…そんな身勝手なルールや思い込みは非常に危険です。そんなことをしてもダメなものはダメ。どんな使い方をしようが、フリー素材等著作者の許可されているもの以外の無断使用はすべて違法です。
自身が所持しているペンの写真を使うのはもちろん構いませんが、視聴者がわかりやすいから勝手に画像を使う、視聴者が喜んでくれるからメーカーが一般に向けて公開していない情報を発信する。
これは動画投稿者としてやってはいけない行為です!
以前たまたまuniの社員の方とお話をする機会があってその時にお聞きしたのですが、「クルトガダイブ」が初めて発売される際の情報…発売時期などは完全に非公開で進めるという、メーカー独自の販売戦略があったにも関わらず、インフルエンサーによって情報が漏らされ拡散されたと激怒されていました。
商品を紹介してあげてるんだから…宣伝になるんだから、売れるからいいだろうという考え、もっと販売前にアピールすべきだろという考えからの身勝手な行動、それは必ずしもメーカー側が望んでいるわけではありませんし、メーカーには頭がいい人が山程います。その辺りわかってないはずがありません。メーカーはメーカーなりに考えて販促をしています。
インフルエンサーが自分の考え自体を発信することには問題ありませんが、そんなことやってると下手すれば訴えられますよ?インフルエンサーなら、自分の行動が後々どう影響するのかよく考えて行動しなければいけません。
このように何も考えていないインフルエンサーが増えると、まじめにやっているYouTuberの信頼も失いかねないんです。
僕はいつもメーカーに忖度のない商品レビューを心掛けていますが、それは真摯に商品に向き合う為であって、メーカーに対して損害を与えたり否定する為ではありません。僕のレビューを通じてユーザーに正しく商品の良さを伝えたい…個人レベルで物事を考えているのではなく、会社レベル、業界全体を考え、メーカーに次の商品開発に役立ててほしいという思いから愛をもって商品レビューをしています。
こんな時代でも文房具が売れてほしいから、金銭的にきつくても欲しいものだけじゃなくていろんな商品を買って紹介するし、メーカーのレベルを上げたいから正直なレビューをする。僕と同じ商品を紹介する他の文房具YouTuberに対しても、それぞれのスタイルや個性を尊重し、自分のスタイルを貫くことで人と被らない伝え方を追求しています。
とはいえ何十万人も登録者がいる人気チャンネルではないのでそんな影響力があるわけでもないですが、僕はそういう考えで活動をしています。
今回のまとめ
今回は以前投稿した動画に付け加えて、自身の文房具YouTuberとしての考え方について深堀してみましたがいかがでしたでしょうか。
僕はメーカーさんにも頑張っていただきたいですし、同じように動画投稿しているみなさんにもレベルアップしていただきたい。その為にも僕自身がもっと努力してこの業界に対して少しでも役に立てるように発信を続けていかなければいけないと勝手に思って動画投稿を日々続けています。普段の動画やSNSではあまり自身の考えを発信していませんでしたが、今後もたまにこういったマインド的な話の動画も挟んでいこうかなと考えています。これからも、文房具業界を盛り上げていくために努力していきますので、ご賛同下さる方は是非応援の方を宜しくお願い致します。それでは今回は以上となります。最後までお付き合いくださいましてありがとうございました。