どうも、YouTubeチャンネル「HEROTV」の運営兼、動画編集者のあぬびすです!
今回ご紹介するのは、ウッドペンクラフトの万年筆になります。今回の万年筆は本当にすごすぎです!
サムネにもあります、今回のペンは粋「すい」という名前が付けられた特別な一本です。
ただ、結論からいうと、この万年筆は人を選びます。万人受けするものではありませんが、恐ろしいほどのこだわりと万年筆愛好家の知識、職人の技が詰まった唯一無二の究極の万年筆となっています。僕は手作り木軸ペンブランドの中でウッドペンクラフトが一番好きで、これまでも色々なペンを購入して動画でも何本もご紹介させていただきました。
まだこちらの商品とウッドペンクラフトというブランドをご存じの方もご存じない方も、さらには大手メーカーの方にも見ていただきたい動画となっています。果たして粋とはどんな万年筆なのか、詳細は商品の基本情報の項目で商品の魅力をじっくりと解説いたしますので、是非最後までご覧いただければと思います。
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それでは商品の方を見ていきます。
目次
YouTube動画
Woodpen craft 粋 プロトタイプ の基本情報
ウッドペンクラフトは、木に関する様々な事業を展開するウッドロードという大阪にある会社が立ち上げた、「手作り木軸ペン」のブランドです。ウッドロードでは、毎週100人以上が通う、本格的な木工教室を開講しています。また、手作り木軸ペン専門店をOPENし、営業日は木軸ペンのショッピングや手作り体験を楽しむなど多くの来店客でにぎわっている大阪の人気ブランドです。(※ペンの手作り体験は要予約)
そんなウッドペンクラフトから、木軸ペン専門店がOPENした際に記念に限定先行販売された木軸万年筆、「粋」(すい)になります。購入時はこのような木箱に入って届きました。
こちらの木箱は蓋を裏返すとペントレイになるとてもお気に入りの木箱となっていまして、現在BASEでペンを購入する際にオプションで選択できるようになっているお勧めの木箱です。
このまま高さを出して使用もできますし、このように単体でも使用可能です。
この木箱が880円なんてお得ですよね。
輸送箱には手書きの手紙と、説明書も同封されていました。それではさっそく開封していきます。
中にはさらに黒いペンシースに覆われた万年筆。あと、コンバーターと吸引パイプも入ってますね。こちらは欧州共通規格のカートリッジも使用可能となっております。
こちらが、ウッドペンクラフトの「粋」になります。価格はペン先の素材で異なりますが、14金の金ペンが税込み61600円、鉄ペンが税込み38500円でした。
あくまでもこちらはプロトタイプということで、一般販売はまだ先となり、仕様や価格も変わる可能性があります。この辺りご注意ください。
こちら、ご覧いただければわかる通り、段差がなく直線的、クリップがなく、書いて木に触れる楽しさのみに集中できる洗練された万年筆となっております。僕はよく、ウッドペンクラフトのペンを日本刀に例えるんですが、こちらの粋なんかもう白鞘の日本刀のようで、まさに僕が求めていた木軸万年筆に仕上がっているなと感じています。粋は購入してからずいぶん経ちましたが、実は動画を撮影するまでは使わないと決めていたので、まだ使ったことがないんですよ。この後書くのが非常に楽しみです。
この粋は見た目こそシンプルですが、動画冒頭でもお伝えした通り恐ろしいほどのこだわりと技術が詰まった究極の万年筆に仕上がっています。今回はこちらの粋のこだわりポイント、注目すべきポイントを大きく分けて5つの項目にまとめていますので、そのすごさを順を追って解説していきます。
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【woodpen craft】屋久杉浮造り国産漆 エイリアンを徹底レビュー ウッドペンクラフトOPEN限定樹種
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「粋」こだわりの5つのポイント
1.オリジナル木軸万年筆
まず1つ目のポイントは、オリジナルの木軸万年筆というところ。木軸だと持ち手が冷たくなりませんし、この長さと太さ、木のぬくもりを存分に感じられます。そもそもオリジナルの木軸万年筆自体ほぼありません。樹種は花梨瘤杢。木軸ペンの中でも定番の人気樹種です。
段差のない直線的なこの形状、経験豊富な職人さんの腕を持ってしても、キャップ時、キャップポスト時に歪みも段差もなくど真ん中を取るのが困難で、割れたりして削りなおすことが多く沢山の木を使った為、今回かなり杢の見た目に差が出たそうです。
ツイッターでオーダー分すべての杢を見せていただきましたがすごく美しいものが多かったですね。杢は抽選で選ばれたものなのですが、僕の手元に届いたのは割とスタンダードな花梨瘤と思いきや、すごく個性的な杢で、軸中央に「山」という漢字が入っているように見えます!こういった一点ものならではの個性が出るのも木軸の良さですよね。(詳細は動画にてご確認ください)
軸の手触りはとてもすべすべしていて、角もなめらかです。一般販売される頃には樹種はどんどん増えてくると思いますのでそこも非常に楽しみですね。
2.キャップ
2つ目の注目ポイントは、キャップです。こちらは空気抜き構造が施されたキャップとなっています。
首軸と、尻栓の黒い部分はエボナイトというゴムを主成分とした人口樹脂を使用しています。もちろん胴内部もエボナイト削り出しの筒となっております。エボナイトは気密性が非常に高いですし、こちらネジの部分なんですが、ここに縦に溝が入っているのがお分かりいただけますでしょうか。
この溝があることによって、キャップをする際に内部の空気が外に出て、閉まると外から空気が入らない構造となっています。
たったこれだけの溝ですが、この溝がどれだけすごいか。ここに溝を入れるということを思いつくまでも1ヶ月ほどの時間を要したそうです。これにより、インクが乾燥しにくく、再度書く時にもインクが出やすくなっています。
3.1本の万年筆に3種類のネジを使用
3つ目の注目ポイントですが、こちらの1本の万年筆にはなんと3種類のネジが使用されています。まずはキャップと尻栓部。
こちらには半回転程で開閉できる四条ネジが使用されています。書く時もさっとキャップが取れるのでいいですね。キャップポストも素早くできます。
次、胴軸を外す際ですが、こちらは逆ネジとなっていまして、キャップを閉めてそのままぐっと回すと外れます。使用している際に常に木を感じてほしいとの思いで、グリップはこちらの軸を持って書くタイプの万年筆に仕上がっています。
そのため、大手メーカーの万年筆のようにグリップ部を持って回すことができませんし、同じ方向に回るネジだと何度もキャップを開閉していると閉まり過ぎて胴軸を外せなくなってしまうため、逆ネジを採用しています。
あと尻栓と胴軸は、エボナイトとエボナイトが噛み合わさる通常のネジとなっていまして、エボナイトはかみ合うと外れなくなる性質を持っています。接着剤などを使用せずともエボナイトの性質を利用し外れないようになっています。
4.ニブ
4つ目のポイントは、ニブです。ニブはBOCK社の6号ニブを使用しています。BOCK社は、品質の高さと安定感のある書き心地に定評があるドイツのOEMメーカーです。そちらの鉄ペンと14金の金ペンを採用しています。ペン先はどちらもEF・F・M・Bから選べます。ちなみにこちらは鉄ペンのFです。
5.インク吸入時に木に触れない構造
5つ目のポイントは、インク吸入時に木に触れない構造。軸が木軸ですので、インクが付いてしまうと汚れが取れなくなってしまいます。それを解決するために木軸部分を完全に外せる構造にしていますので、木軸にインクが付いて汚れる心配がありません。
あと、インク吸引用のパイプも同封されていますので、こちらを使用することでさらに安全にインクを入れられます。
重心は、低重心。キャップポストすると、あ…キャップポストしても低重心ですね。
ウッドペンクラフト 粋は、全長137mm、重さ17g、軸径が13.5mmとなっております。それではいよいよインクを入れて書いてみたいと思います。
Woodpen craft 粋 プロトタイプ を使用した感想
インクは寺西化学工業の、ハイカラインキ、アンティークブラックを使用したいと思います。少し色あせた黒です。
僕は直でニブから吸引しようかな。
インクが入りました。それでは書いていきます。
書き味は、想像していたものとは違いました。なるほどこれは好き嫌いが分かれそうですね。この軸の太さがまたいいですね!
Woodpen craft 粋 プロトタイプ の良かった点
それではウッドペンクラフトの粋の良かった点から行きたいと思います。
まず見た目がかっこいい。この直線的な、なんの引っかかりもないつるんとしたボディ。唯一無二の美しさです。もちろん軸は木軸ですので、同じ杢の門は存在せず、世界で一本だけの万年筆となります。
次に軸の手触りがいい。いつまでも触っていたいストレスフリーなスベスベ感。木の温もりがとてもいいですね。
そして、書き心地がいい。
この書き心地には正直好き嫌いが分かれると思います。
ペン先は固めでインクフローは渋めです。
パイロットのカスタム742ほどなめらかじゃないし、プラチナの3776センチュリー程カリカリしてない。かといってセーラーのプロフィット21のようにサラサラ書けない。サリサリという表現がぴったりです。
なんかHBの鉛筆に近い書き心地ですね。通常万年筆は筆圧をかけないのですが、粋はある程度筆圧をかけて書くのもよさそうです。
それから、重心バランスがいい。この粋は想像していたよりも軽くて程よい低重心ですので、グリップ部に特に加工がなくても割と握りやすいんですよ。使用する前はもしかしたら滑るかなと思いましたが、この太さ、とても握りやすいです。
それと、綺麗な文字が書きやすい。こちらは鉄ペンのFですが、線は丁度いい細さです。よくFでもMくらいインクが出る万年筆も多い中、インクフローが安定していますのでこちらは小さい文字を書くのにも適しています。
あと、全体的な完成度が非常に高い。徹底追求されたこだわりのポイントが多く、これがプロトタイプとはとても思えません。逆にこれ以上何を望みますかという感じですね。この大手メーカーには実現できない職人の経験と技の結晶。魂の籠った万年筆に、意を唱えようがないです。
そして、経年変化を楽しめる。使えば使うほど深みが増して、味が出てくるのも木軸ペンの魅力ですよね。
Woodpen craft 粋 プロトタイプ のここが気になる
次に気になる点を絞り出すとすれば、クリップがない所。
僕はこれが個性だし最高だと思いますが、クリップがない事で持ち運びには不便だと思います。
どこにも引っ掛けられませんし、1度転がり出すと止まらないのは怖いところがありますので、かなり慎重に扱う必要はありますね。
僕が気になったのはこのくらいです。
Woodpen craft 粋 プロトタイプ まとめ
- Woodpen craftの木軸ペン専門店OPEN記念に限定先行販売された木軸万年筆
- コンバーターと吸引パイプ(欧州共通規格)
- 14金と鉄ペンの2種類
- ニブはBOCK社の6号ニブ、EF・F・M・B
- 3種類のネジを使用
- 首軸、尻栓、胴内部はエボナイト
良かった点
- 見た目がかっこいい
- 木軸の手触りがいい
- 書き心地がいい
- 重心バランスがいい
- 綺麗な文字が書きやすい
- 完成度が非常に高い
- 経年変化を楽しめる
気になる点
- クリップがないことで、転がりやすく持ち運びが不便
今回はウッドペンクラフトの粋プロトタイプのご紹介でしたがいかがでしたでしょうか。
今回はウッドペンクラフトの粋プロトタイプのご紹介でしたがいかがでしたでしょうか。今回の万年筆は、僕の経験と知識を超える次元での細かい調整が施されているので、個人的にはこれ以上求めるものはありません。それ程完成度が高い万年筆に仕上がっています。一般販売品もほぼこの状態での発売になるのではと思いますが、万年筆愛好家の方々からすれば、まだ改善点はあるのかもしれませんね。
現在エボナイトのネジの耐久性に問題が出てきているそうですが、こちらはすでに改良済みとのことです。
ウッドペンクラフトさん、今回も僕の想像の遥か上を行く商品とワクワクをありがとうございました。この粋のこの先の展開に期待しつつ、一般販売開始の際にどんな樹種が出てくるのかも非常に楽しみです。
それでは今回は以上となります。この動画&記事が気に入っていただけましたらGoodボタンとチャンネル登録お願い致します。最後までご覧いただきありがとうございました。
ウッドペンクラフトHP https://woodpen.jp/