【結論】シックザールの革軸ペンは、「筆記具」というよりも工芸品に近い一本です。
高級革を巻き、手縫いで仕上げた真鍮軸。
価格は高額ですが、素材・手間・完成度を考えると妥当です。
書き心地も実用域をしっかり超えています。ただし、万人向けではありません。
“道具としての合理性”よりも“所有する価値”を求める人に向いています。
※今回はシックザール様より商品をご提供いただきました。提供品であることを前提に、忖度なくレビューします。
シックザールは「一生モノをあなたに」をコンセプトに掲げ、熟練職人による手縫い革製品を展開するブランドです。ブランド名はドイツ語で「運命」を意味します。
2025年10月で2周年。新興ブランドですが、方向性は明確です。
今回ご紹介するのは、
・シックザール 革軸ペン(クロコダイルブラック)
・硬度表示窓付き革軸芯ケース(プエブロ)
です。
シックザール 革軸ペン&革軸芯ケースの基本情報
クロコダイルの革軸ペン

Schicksal 革軸ペン
- 価格:税込33,950円(クロコダイル)
- 全長:139mm
- 重さ:22g
- 軸径:10mm
- 真鍮軸ベース
- 本革手縫い仕上げ
革は4種展開。
・ヌメ革
・プエブロ
・特上ヌメ革
・クロコダイル(最上級)

今回のクロコダイルは型押しではなく本物のクロコダイル革です。
最高峰の革、クロコダイルは希少価値がとても高く、制作難易度も極めて高い為、非常に貴重な革となっているとのことです。
牛革とは明確に異なる質感。吸い付くような触感と独特の香りがあります。
真鍮軸に革を巻き、手縫いで固定。縫い目は極めて細かく、密度が高い。
使用されている糸はポリエステル繊維を編み込んだ高耐久糸に蝋引き加工が施されています。耐久性と防水性を両立しています。
ペン先はパイプスライド式。隙間は極限まで抑えられ、筆記中ガタつきは感じません。
芯タンクは樹脂製、芯を送り出すチャックは金属製です。ノック感は若干硬めですが、スイッチ感は弱い感触です。
ノック感はやや硬め。金具は一部汎用品ですが、全体のバランスは良好です。
重心は中央付近。
YouTubeの動画にて、シックザールさんはF芯推しなので、Fを初期搭載芯にしてはどうかと提案したところ採用してくださり、2024年末より初期搭載芯はFのものが使用されています。
革軸ペンの初期芯が「F」に変更です‼️
— Schicksal シックザール (@Schicksal_japan) December 13, 2024
HBとHの中間に位置するFは、文房具界で影の薄い存在…
しかし、その絶妙なバランスは、一度使えばやみつきになるはずです🙌
文房具が好きの私が、書き味に徹底的にこだわりたどり着いたのが、このF芯!
あなたに「書く」ことの楽しさをより深くお届けします💪 pic.twitter.com/Olar6KVyeH
※革軸ペンの価格は素材原価だけで決まりません。
・革の選別
・裁断
・縫製
・真鍮加工
・仕上げ
工程の積み重ねが価格を構成します。特にクロコダイルは供給が不安定で、制作難易度も高い。
価格=ブランド料
ではなく、工程と希少性の反映です。
革巻きという構造は、木軸とはまた違う密度感があります。

革軸芯ケース(プエブロ)

- 価格:税込15,950円
- 全長:78mm
- 重さ:26g
- 硬度表示窓付き(可動式)
真鍮ケースに革を巻き手縫い仕上げ。
最大の特徴は可動式硬度表示窓。
窓パーツを回転させることで、2B / B / HB / F / H / 2H の表示を変更できます。
F芯を明確に推している点もブランドの個性です。
使用した感想

革軸ペンは、22gという重量ながら不思議と扱いやすい。
革の摩擦が金属の滑りを抑え、安定感を生みます。
これは木軸とも金属軸とも違う体験です。
書き心地
驚いたのは書き心地の良さです。
パイプスライド式ですがブレは少なく、ノック部の安定性も十分。
革特有の吸着感があり、筆記中の微振動が抑えられます。
剛性感もあり、密度のある筆記感です。
重心バランス
重心は中央。
革の重量が加わっていますが、真鍮軸のバランス設計がうまく作用しています。
極端な前重心でも後重心でもありません。
剛性感
革巻きというと柔らかさを想像しますが、内部は真鍮軸。
構造剛性は十分。
パイプ周辺の精度も高く、ガタつきは抑えられています。
良かった点

最大の魅力は素材の説得力です。
本物のクロコダイル革。厳選された個体のみ使用。
縫製精度も高く、装飾ではなく“構造”として機能しています。
開封体験も含め、ブランド体験が一貫しています。
芯ケースの硬度表示機構も独創的。実用性と遊び心を両立しています。
そして書き心地も妥協していない。単なる高級外装ペンではありません。
気になる点


クリップが筆記時に手に当たる可能性があります。
また、芯ケースの硬度表示は正面に固定されないため、気になる人は気になるでしょう。
価格は高額です。合理性だけで見れば高い。
しかし、素材と工程を考えれば妥当です。
こんな人におすすめ
✅ 向いている人
・革製品が好きな方
・工芸的価値を求める方
・長く使える一本を探している方
・F芯など硬度にこだわる方
❌ 向いていない人
・軽量重視の方
・価格対性能のみで判断する方
・合理性を最優先する方
今回のまとめ
シックザール革軸ペンは、単なる筆記具ではありません。
素材、工程、ブランド思想が一体化したプロダクトです。
合理性よりも、所有する満足感。
革の質感と職人の技術を味わいたい方には、非常に魅力的な一本です。
価格だけを見れば高額に感じるかもしれません。しかし、価格に見合うだけの密度は確かにあります。

