【結論】KOH-I-NOOR SHAKE ITは、1790年創業という長い歴史を持つ文具メーカーKOH-I-NOORが展開するシェイク機構付きシャープペンシルです。特徴は名前の通り「振ることで芯を出せる」シェイク機構で、通常のノック操作に加えてペンを軽く振るだけで芯を繰り出すことができます。
価格は定価715円ですが、現在はオンラインショップなどで350円前後で販売されていることもあり、非常に手に取りやすい価格帯のシャープペンシルです。ボディは樹脂製で軽量、さらに軸径がやや太めに設計されているため、握りやすさと安定感のバランスが良いモデルになっています。
書き心地は樹脂チャックらしい柔らかさがあり、強い筆圧にはやや弱いものの、軽快で扱いやすい筆記感です。レトロポップなデザインや蛍光カラーのクリアパーツも特徴的で、一般的な国産シャープペンシルとは少し違う雰囲気を楽しめるモデルだと思います。
一方で、チャックの保持力やノック感など、機構面ではやや気になる部分もありました。芯の出方が安定しない場合があり、ノック時に引っ掛かるような感触が出ることもあります。そのため性能面で見ると同価格帯の日本メーカー製シャープペンシルの方が安定している部分もあります。
それでも、このモデルにはコヒノールらしい独特の雰囲気と歴史的背景があります。単なる実用品としてだけではなく、海外文具らしい個性を楽しめるシャープペンシルだと感じました。
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KOH-I-NOOR SHAKE ITの基本情報

商品はパッケージに入っておらず、裸の状態で届きました。海外文具ではこういった簡易包装のケースも珍しくありません。日本の文具と比べると少し驚くかもしれませんが、海外メーカーでは割と一般的な販売方法です。
価格は定価715円ですが、現在はAmazonなどで350円前後で販売されていることもあります。非常に手に取りやすい価格帯のシャープペンシルですね。
まず、このシャープペンシルを紹介する前に KOH-I-NOORというブランド について簡単に触れておきたいと思います。
KOH-I-NOORは1790年創業の文具メーカーで、世界でも非常に長い歴史を持つブランドの一つです。ファーバーカステルと並ぶ世界最古の文具メーカーの一つとしても知られています。

このブランドの歴史の中で面白いエピソードがあります。それが1984年に発売された製図用シャープペンシル 5635 Rapidmatic(ラピッドマチック) です。このモデルは日本ではあまり知られていませんが、実は非常に有名なシャープペンシルと深い関係があります。
その翌年、1985年に発売された ロットリング500 は、このRapidmaticとほぼ同じ構造を持っているモデルです。当時KOH-I-NOOR USAはロットリングが所有していたため、こうした関係が生まれたと言われています。つまり、あの有名なロットリングのモデルのルーツの一部にはコヒノールが関わっているわけです。
こうした背景を知ると、コヒノールというブランドが長い歴史の中でどれだけ筆記具文化に関わってきたのかが見えてきます。
そんなコヒノールから発売されているのが、今回紹介する SHAKE IT です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 商品名 | KOH-I-NOOR SHAKE IT |
| 価格 | 税込715円(実売350円前後) |
| 芯径 | 0.5mm |
| 全長 | 146mm |
| 重量 | 14.1g |
| 軸径 | 10.5mm |
| 重心 | 中央付近 |
カラーバリエーションは
- イエロー
- グリーン
の2色展開です。今回レビューしているのは イエローモデル になります。
ボディは樹脂製で、蛍光カラーのクリアパーツが組み合わされたレトロポップなデザインです。軸全体にはラバー塗装が施されており、グリップ力は比較的高い仕上がりになっています。
軸径は約10.5mmとやや太めの設計で、太軸のシャープペンシルが好きな人にとっては握りやすいサイズ感です。
そしてこのモデルの最大の特徴が シェイク機構 です。内部に重りが入っており、シャープペンシルを振ることで芯を繰り出すことができます。もちろん通常のノック操作でも芯を出すことが可能です。
使用した感想

書き心地
実際に書いてみると、意外にも書き心地は悪くありません。樹脂チャックのシャープペンシルらしく、柔らかく軽い書き心地です。製図用シャープペンシルのような硬質な筆記感とは違い、少しクッションのあるような感覚があります。
軽量ボディということもあり、長時間の筆記でも疲れにくい印象です。また軸径が太めなので、軽いながらも安定感はあります。個人的にはこういう書き心地のシャープペンシルも嫌いではありません。
ただし筆圧が強い人にはあまり向いていないと思います。樹脂チャックのため芯の保持力はそこまで強くなく、強い筆圧をかけると芯が滑るような感覚があります。
重心バランス
重心は中央付近です。内部の重りの位置によって多少変わる部分はありますが、極端な前重心や後重心ではなく比較的ニュートラルなバランスです。
そのため軽量ボディながらも書きづらさは感じにくく、日常的な筆記用途には十分対応できると思います。
剛性感
剛性感については、やはり樹脂チャックのシャープペンシルらしい特徴が出ていると感じました。製図用シャープペンシルのような金属チャックのモデルと比べると、どうしても芯の固定力は弱くなります。そのため筆記時にペン先がわずかに柔らかく感じることがあります。
ただし、この柔らかさが必ずしも悪いわけではありません。むしろ樹脂チャックのシャープペンシル特有の、少しクッションのあるような書き心地につながっているとも言えます。ペン先のカチッとした剛性感を求める方には少し物足りなく感じるかもしれませんが、軽い筆圧で書く方にとっては扱いやすい書き心地だと思います。
実際に書いてみると、芯が大きくぐらつくようなことはなく、軽い筆圧で筆記する分には安定感も十分に感じられます。ただし筆圧が強い場合には芯が滑るような感覚が出ることもありますので、その点は注意が必要です。
そのため剛性感という点では、金属チャックの製図用シャープペンシルのような硬質な書き心地とは少し違い、あくまで軽快で柔らかい筆記感を楽しむタイプのシャープペンシルだと感じました。
良かった点

まずデザインが非常に個性的です。蛍光カラーのクリア素材とラバー塗装の組み合わせは、レトロポップな雰囲気があります。最近の日本メーカーのシャープペンシルにはあまりないデザインです。
また軽量で扱いやすく、太軸なので握りやすいのも良い点です。ラバー塗装のおかげで滑りにくく、筆記時の安定感もあります。
書き心地も樹脂チャック特有の柔らかさがあり、軽快な筆記感を楽しめるモデルです。
気になる点

まずチャックの保持力です。ワンノックで出てくる芯の長さが安定しないことがあります。ノックしても芯が出てこないことがあったり、一瞬出てすぐ戻るような挙動も見られました。
またノック感もあまり良くありません。ノックするときに「ゴリッ」とした感触が出ることがあり、内部で何かが干渉しているような感覚があります。
さらに回転繰り出し式の消しゴムユニットがあるため、ノックするとその部分が親指に当たりやすく、人によっては少し気になるかもしれません。
他モデルとの比較
ゼブラ テクトツーウェイ
テクトツーウェイはシェイク機構を搭載したシャープペンシルとして非常に有名なモデルです。シェイク機構のオンオフを切り替えることができるなど、実用性に優れた設計になっています。
SHAKE ITと比べると、テクトツーウェイの方が機構の完成度は高く、芯の送り出しも安定しています。実用性だけで考えるならテクトツーウェイの方が優れていると感じる人も多いでしょう。
一方でSHAKE ITは、レトロなデザインや海外文具らしい雰囲気が魅力です。性能よりも個性を楽しむモデルと言えるかもしれません。
THE Dr.GRIP
THE Dr.GRIPは人間工学をベースに設計されたシャープペンシルで、長時間筆記の快適さに特化したモデルです。グリップの柔らかさや安定感は非常に高く、学生や社会人の実用筆記にも適しています。シェイク機構に類似したフレフレ機構が搭載られているモデルです。
SHAKE ITと比較すると、THE Dr.GRIPは圧倒的に実用性重視のモデルです。書きやすさや疲れにくさではDr.GRIPに軍配が上がるでしょう。
しかしSHAKE ITは、軽量で気軽に使えることや、シェイク機構の楽しさなど、また違った魅力を持っています。

こんな人におすすめ
✅ 向いている人
- 海外文具が好きな人
- レトロなデザインのシャープペンシルが好きな人
- 軽いシャープペンシルが好きな人
- シェイク機構を気軽に使いたい人
❌ 向いていない人
- 芯の保持力を重視する人
- 完成度の高い機構を求める人
- 筆圧が強い人
総合評価
| 項目 | 評価 |
|---|---|
| 書き心地 | 7 / 10 |
| 剛性感 | 6 / 10 |
| 重心バランス | 7 / 10 |
| 疲労感 | 8 / 10 |
| デザイン | 8 / 10 |
総合評価:7.2 / 10
今回のまとめ
KOH-I-NOOR SHAKE ITは、海外文具らしい個性を持ったシャープペンシルでした。レトロポップなデザインやシェイク機構など、使っていて楽しい要素が多いモデルです。
機構の完成度やチャック性能という点では、日本メーカーのシャープペンシルの方が優れている部分もあります。しかしこのモデルには独特の雰囲気があり、それが大きな魅力だと思います。
実用品としての性能だけでなく、文具としての個性や楽しさを感じられるシャープペンシルでした。

